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執筆者の写真yheiankendo

横浜地区剣道伝達講習会 2021年5月2日

平安剣道クラブです。


5月2日(日)神奈川県剣道連盟主催の横浜地区伝達講習会が県立武道館剣道場で開催され、参加しました。

受講者は約140名、県連の本部役員は小林会長、野見山副会長、講師は石原教士、辻山教士でした。鶴見区からは区連会長を始め、役員・理事の方々など私も含めて7名の参加がありました。

今回は4月に神戸で開催された中央講習会の伝達事項の説明と、審判法、日本剣道形などの実技による講習がありました。


石原教士からの中央講習会の伝達事項は主に以下の6点でした。

(1)今後1年間、どんな剣道を目指すのか?:長時間の鍔迫り合い、三所隠しなど、姑息な手は使わないで正々堂々とした剣道ができることを目指す。

(2)適切な組織運営とガバナンスについて:ここ数年、スポーツ界では暴力、不正な金品授受、セクハラなどの問題が発生。パワハラ、セクハラは相手の受け取り方で問題となるため過去の経験はアテにならない。他競技だけでなく、全剣連への問い合わせも増えている。最近はSNSでの画像・動画の拡散が簡単にできるため、当事者同士では問題視していなくてもネット上で炎上してしまうこともあり、注意が必要。

(3)新型コロナ対策:昨年8月から審査を再開してから、審査でのクラスターは発生していない。3密の回避は各地で取り組んでおり、特に室内の空気を入れ替える換気が重要。マスク着用時の鼻出しを認めてきたが、今後は禁止。剣道の発声時の飛沫を検証したところ、小手の発声における飛沫が多いことが判明している。飛沫対策は今後も徹底する。

(4)女性剣士への支援策:剣道の有段登録数は約200万人のうち、女性は60万人であり、全体の30%を占めている。子育て中の女性剣士も多いが剣道離れを余儀なくされている現状から、大会や講習会での保育室設置等による支援を検討し、参加しやすい環境作りを進めている。

(5)暫定的な試合審判法について:基本的には、鍔競り合いはしないこととし、正しい分かれ方を徹底することが必要。全日本選手権では試合の前に選手に対して十分な説明を実施したところ、前年の大会と鍔競り合いの時間は大幅に減少し、男子は前大会3分25秒のところ今大会は24秒、女子は前大会3分47秒のところ今大会は37秒となった。鍔競り合い時間の減少に従って、有効打突の内訳にも変化があり、引き技は減少し、しかけ技が増える傾向となった。

試合の有効打突と反則は、審判3名の判断で取られるものであり、そこに試合者の意図は関係ない。審判は反則であればそれを正しく見極めること。反則を見過ごしてはいけない。全ては剣道試合・審判規則の第1条にある、「公正明大に試合をし(ごまかさない)」に立ち返って判断する。

(6)竹刀点検の徹底 :昨年、八段の先生の目に破損した竹刀が刺さり失明する事故が発生した。事故は重篤で、あと数センチずれていたら破片が脳に達して死亡していた可能性があった。この事故では、竹刀の刃部と峯の部分を入れ替えた竹刀を使用して、上下入れ替えた元・刃部の竹が破損して起こった。今後、このような上下入れ替えや、ピースの組み換えはしないこと。


この後、日本剣道形、木刀による剣道基本技稽古法、審判法、実技指導法(鍔迫り合いを回避する技)、地稽古に取り組みました。

日本剣道形の講習では講習会資料や剣道形解説書を良く読んで理解を深めることと、解説書とは解釈が異なる点(四本目)、解説書には記載がない動作のポイント(七本目)について説明がありました。

木刀による剣道基本技稽古法は、1対1の対面ではなく、指導者1名と複数人の子供達の一斉指導の方法について実演指導がありました。

審判法は、審判、試合者、時計・目印の係に分かれて模擬審判に取り組みました。時間が短く、審判は私のグループまで回ってきませんでしたが、入場・試合場内での審判同士の距離の取り方、分かれの見極めなどの暫定ルールに加えて、従来通りの審判法の課題(所作、位置取り、有効打突・反則の見極め)についても指導があり、他の人達の指導を見て学びました。

面を付けての実技指導と地稽古は短時間でしたが他地区のいろいろな人と稽古ができました。


講習会の最初と最後に、神奈川県剣道連盟の小林会長からお言葉がありました。

(1)高段者でも常に学びを求めて自身の剣道を高めていく姿勢は大事である。

(2)剣道における攻めとは、「相手を知るための必然の行為」である。

(3)高段者になると、気剣体の一致から、次のステップとなる、「心気力の一致*」への成長が必要である。引き続き精進して、各地で後進の指導に当たって欲しい。

*心気体の一致 : 全剣連ホームページに説明有り。参考までに掲載。(全日本剣道連盟ホームページ「剣道・居合道・杖道を知る 図書 剣道と「き」 第8回近代剣道と気 URL:https://www.kendo.or.jp/knowledge/books/kendotoki_08/



昨年の伝達講習会は新型コロナの影響で中止となったため、2年ぶりの開催でした。私も久しぶりの外部講習会への参加で、とても勉強になりました。暫定ルールと竹刀点検については、クラブ内での周知徹底を図ります。

久しぶりに外部の方々と話をし、稽古をしてみて、自身の鍛錬・稽古不足を実感しました。自己の鍛錬を見つめ直し、自ら求めて稽古に励みたいと感じました。


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